ストレスが病気を引き起こす メカニズムとは?あなたの心が蝕まれる危険なサインを紹介します。現代日本人、とくに、30歳以下の人は、体温が人類の平均体温の36.5度 ある人はほとんどおらずに、ほとんどが陰性体質になっています。
ストレスは、単なる「気のせい」ではなく、自律神経系、内分泌系(ホルモン)、免疫系という身体の重要なシステムに連鎖的な悪影響を与え、実際にさまざまな病気を引き起こします。「あなたの心が蝕まれる危険なサイン」を見逃さないためにも、ストレスが病気に変わる具体的なメカニズムと心身のSOSサインを理解することが重要です。
1. ストレスが病気を引き起こす「三つのメカニズム」
ストレスが長期間続くと、脳の指令で身体のバランスを保つ三大システムが乱れ、心身に大きな負担がかかります。
① 自律神経の乱れ(アクセルが踏みっぱなしになる)
初期反応:ストレスを感じると、体を緊張・興奮させる交感神経が優位になります。心拍数や血圧が上がり、筋肉がこわばるなど、戦うか逃げるかの「戦闘モード」に入ります。
慢性化の影響:ストレスが続くと、この交感神経の緊張状態が長く続き、副交感神経(リラックスモード)の働きが低下します。結果として、疲労が回復せず、眠れない、消化器系の不調(胃痛、下痢、便秘)など、身体機能のバランスが崩れます。
② ストレスホルモンの過剰分泌
コルチゾール:強いストレスを受けると、副腎からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。これは一時的に免疫を抑制し、血糖値を上げることで、体をストレスに対処できる状態にします。
慢性化の影響:ストレスが慢性化すると、コルチゾールが常に過剰な状態になります。この状態が続くと、免疫機能が長期的に抑制され、また血圧や血糖値のコントロールが乱れ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。
③ 免疫力の低下とバランスの崩れ
顆粒球とリンパ球のバランス:自律神経は免疫細胞の働きと連動しています。交感神経が優位な状態が続くと、細菌感染などに備える顆粒球が増えすぎ、ウイルスやがん細胞を攻撃するリンパ球が相対的に減少します。
慢性化の影響:このバランスの崩れとストレスホルモンによる免疫抑制により、風邪や感染症にかかりやすくなるほか、体内の免疫細胞が異常を起こし、アレルギーや自己免疫疾患のリスクも高まります。
2. あなたの心が蝕まれている「危険なサイン」
ストレスは心、身体、行動の3つの面に、それぞれ異なるサインとして現れます。これらのサインが2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討すべき危険な状態です。
心理面(心)のSOSサイン
サイン | 具体的な状態 |
気分の落ち込み | 悲しい、憂鬱な気分が長く続き、何事にも興味や楽しみを感じられない。 |
イライラ・不安感 | 些細なことでイライラしたり、落ち着かなくなったり、漠然とした不安に襲われる。 |
集中力・判断力の低下 | 仕事や勉強でミスが増える、ぼーっとすることが多い、重要な決定ができない。 |
自己否定 | 「自分はダメだ」「役に立たない」と自分を責める気持ちが強くなる。 |
死への考え | 「いなくなりたい」「消えてしまいたい」といった考えが頭をよぎる。(最も危険なサイン) |
身体面のSOSサイン
サイン | 具体的な状態 |
睡眠障害 | 不眠(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める)や、逆に過眠(寝すぎるのに疲れが取れない)。 |
全身の倦怠感 | 十分に休んでも疲れが取れず、常に体がだるく、重いと感じる。 |
体の痛み | 慢性的な頭痛、肩こり、腰痛が続く(検査しても原因が見つからないことが多い)。 |
消化器系の不調 | 胃痛、吐き気、下痢や便秘を繰り返す(過敏性腸症候群など)。 |
その他の症状 | 動悸、息苦しさ、めまい、耳鳴り、手足の冷えやしびれなど。 |
これらのサインに気づいたら、深刻な病気に発展する前に、まずは十分な休養を取り、信頼できる人や専門機関(心療内科、精神科など)に相談することが大切です。