気の滞り 症状 には注意しなければいけません。体を巡る大切な「気」の働きにもあるように気が体内の「血」や「水」を動かす力になっており、生命に対する生殺与奪の権利をもっているものといえるのです。
ストレスをはじめ、飲食の誤り(過多、質の悪さ)、冷えや外傷、病原菌など外から侵入した「邪」等によって、気の流れが邪魔された状態が「気の滞り」です。
気の滞り 症状 には注意しなければいけない
このときこそ「何となくスッキリしない、重い」と感じることが多いですが、具体的には「体のあちこちが張ったように痛む」や「胃が重い」「胃が張る」「腹部膨満感」「胸がつかえる」といった身体症状として表れることが多いです。
「気の滞り」が長引くと、気の量の不足や気の働きの低下を招き、動悸、息切れ、めまい、冷えなどの不定愁訴に、食欲不振や消化不良がともない、体重減少をきたすことがあります。また、汗(冷や汗)をかきやすくなり、風邪をひきやすくなります。ひどくなると、失禁や出血傾向(皮下出血)などを起こすこともあります。
なぜなら「気」は命を維持するための原動力であり、あらゆる身体的症状が現れてもおかしくないからです。以下の疾患も、実は気の滞りによって招来されたものです。
- のどの不調
- 「のどに何かつまっている感じで、吐こうにも吐けず、飲みこもうとしても飲みこめない」という症状は、「気の滞り」の典型的な症状です。漢方では梅核気(梅干しの種子がのどにつまった感じ)と呼び、西洋医学ではヒステリー球ということがあります。「気の滞り」が原因ですので、西洋医学的にいうと、うつ病、神経症(ノイローゼ)、ヒステリーなどのときに見られる典型的な症状といえます。
梅核気がある場合、やたらと咳払いをしたくなったり、ガンではないかと不安になったり、種々の取り越し苦労をしてしまうことが多いです。漢方では、こうした梅核気がある病気には病名が何であれ、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を処方するとよく効きます。
半夏厚朴湯はシソの葉と生姜を中心に、茯苓と厚朴からなります。シソの葉と生姜は「気を開く」、つまり「気の滞り」を改善する作用があるとして、「気の病」の妙薬として重宝されてきました。
ただし、この梅核気があり、鼻やのどの炎症疾患(慢性副鼻腔炎・上咽頭炎)やガン(喉頭ガン、咽頭ガン、食道ガン)、甲状腺の病気が存在することもあります。よって、梅核気がある人は、一応、耳鼻科の先生に診てもらう必要があります。そこで異常なしといわれた場合は、うつ病、神経症(ノイローゼ)、ヒステリーなどの病気が考えられますので、心療内科や神経科を受診し、カウンセリングや抗不安剤などの処方を受けるとよいです。
ただし、軽症であれば、医師や薬剤師に相談のうえ、半夏厚朴湯を処方してもらったり、生姜湯などで改善できる場合もあります。漢方薬を使わない程度の軽症であれば、蒸し生姜のダイエット効果のように、蒸し生姜でもよいかもしれません。生姜は熱を加えることでショウガオールが飛躍的に高まる性質がありますので、火を通してから食べるとより効果的です。