現代医学は、重要な「冷え」と「水」の相関関係を見ていない

「何となくスッキリしない」「体(の流れ) がよどんでいるようだ」という人の中には、その原因が「水」から来ている人も多い。脳血栓や心筋梗塞など、血栓症での死亡者が毎年30万人もおり、日本人の死因の2位、3位を占めているので、やたらと「水分をとるように」という健康指導が西洋医学を中心になされている。

人体の60~65%は水分でできているし、体内のすべての化学反応が水がらみで行われているのだから、水が大切なことはわかりきっている。水のないところには、生命の存在はありえない。しかし「過ぎたるは及ばざるがごとし」体内に多すぎると、種々の害が出てくる。

植木に水をかけないと枯れるが、かけすぎると根が腐るし、のたとえどおり、水も我々の体外(大気)の水分が多い状態=高湿度では、不快指数なる表現で、心身の不快感の度合いが表わされている。よって、「水」は諸刃の剣的な一面をもっている。

よく子供が寝冷えすると下痢(水様便)(冷→水)するし、冷房に入ると頭痛や腹痛(冷→痛)を訴える人もいる。雨(水)が降ると、神経痛やリウマチの痛み(水→痛)が悪化することもよくある。
また、雨(水) にぬれると体が冷える(水→冷)は、誰しも経験のあるところだ。このように、「冷・水・痛」は、お互いに関係している。どんな健康な人でも、冬山で遭難すると外傷を負わなくても、冷えのために死ぬこともある。
つまり、人間は、冷えると死ぬのだ。

そういう特殊な事情を除くと、本当に健康な人は病気をしない。風邪でも、ガンでも心臓病でも、精神疾患でも、病気は健康から少し死のほうに寄ったところにある。
ということは、冷えると病気しやすく、死に近づく、という理屈になる。よって、冬は風邪、脳卒中、心筋梗塞をはじめ、ガンや膠原病、胃腸病…など、ほとんどの病気での死亡率が高くなる。

風邪は万病のもと言われるが、英語では風邪はcold(冷え)である。よって「冷えは万病のもと」である。

人間は、「赤ちゃん」という体熱が高く、赤血球の多い、多血症(貧血の反対)の状態で生まれ、白髪になり、白内障を患い、皮膚に白斑が生ずるという、だんだん、体全体が白っぼくなる「白」の状態で老化・死亡していく。「白」は、雪の色が白いように、冷える色。冷蔵庫に食べ物を入れると硬くなるし、水も冷やすと硬くなる(氷)ように、宇宙の物体は、人間の体も含めてすべて冷やすと硬くなる。

から、体温の高い赤ん坊の肌はマシュマロのように柔らかいし、老人の肌はカサカサと硬い。若い人の立ち居振る舞いはしなやかだが、老人のそれは、硬くてぎこちない。
筋肉や骨の体温が低いからだ。体の表面(骨・筋・皮膚) の体温が低いのに、内臓の体温だけが高いということはありえないのだから、内臓も硬くなる症状がだんだんと表われてくる。
それが、動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞であり、ガンである。ガンは「(やまいだれ) の中に岳=岩で、やはり硬い病気であることを表わしている。

まり、ある一面、冷えの病気なのだ。よって、甲状腺の働きが活発になり、新陳代謝がよくなりすぎるために、イライラしてやせてきて、発熱や下痢をするバセドゥ病の人の発ガン率は、一般の人の1000分の1以下なのである。

ガン細胞と正常細胞を培養して、熱を上げていくと、正常細胞は43度まで生きているが、ガン細胞は39.6以上になると死滅する。

自然治癒したガン患者は、肺炎や丹毒に罹患し、発熱していた人であった。ことほど左様に、ガン細胞は熱に弱いのである。

人間の体には、頭から足の先まで、どこにでもガンができるが、心臓ガンと脾臓ガンというのは聞いたことがない。心臓は四六時中働きつづけて、発熱量の多い臓器であるし、肺臓には赤血球という赤い(温かい)血球が集まり、やはり体温の高い臓器だからであろう。

逆に、発ガン性の高いところは、肺、食道、胃、大腸、子宮など外界とつながってくかんいる管腔臓器である。体温が低くなりやすい特徴がある。また、乳房も躯幹から突出して存在しているので、体温が下がりやすく、そのため、乳ガンが発生しやすいと考えてよい。

女性に多い強皮症、SLE、シューグレン症候群などの膠原病も、皮膚や内臓が硬くなる病気だから、ある面冷えの病気だ。自己免疫病とされるクローン病も腸管が鉛状に硬くなるので、冷えの病気である。
うつ病や自殺も体温の低い人に起こりやすいし、北欧や北日本に多いことを考えると、冷えと関係している。痛風も人間の足先(指)という、体温が27~28度しかないところで尿酸が固まって起こる病気なので、冷えの病気である。高脂血症や高血糖(糖尿病) も血液内の脂肪や糖分が十分に燃焼できずにたまりすぎている状態なので、やはり、冷えと関係している。脂肪や糖分は体温が高ければ、体内で燃焼されるべきものだからだ。

人間の病気というのは、必ず、血行の悪いところに起きてくる。なぜなら、血液は、水、酸素、栄養、白血球、免疫物質を抱きかかえて、全身の臓器、細胞に送りこんでいるのだから。

行の悪いところ、つまり、冷えた部分には、病気が発生しやすいわけだ。よって、人間、腹が痛いときには腹に手を当てるし、頭が痛いときには、頭に手を当てる。これが「お手当て」であり治療の第一歩というわけだ。手を当てて、血行をよくして温め、栄養と免疫物質の供給を多くして、治癒を図ろうとする自然の英知なのである。

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