このように、冷えと関係して病気が起こるのだし、その「冷え」の大きな要因が水分(雨に濡れると体が冷えることを想像するとわかりやすい)なのだから、人間、冷えた場合、余分な水分を捨てて、水・くしゃみを出す、体を温めようとするメカニズムを働かせるのだ。

寝冷えをすると下痢(水様便)をする、冷えて風邪をひくと鼻水、くしゃみを出す偏頭痛もちの人がひどくなると嘔吐(胃液という水分の排泄)する、大病すると寝汗(水分を排泄して体を温め、病気と闘う) をかく、年寄りが夜間頻尿(水分を捨てて体を温め、夜間から明け方にかけて起こりやすい血栓症を予防)になるというのは、すべて、水分を捨てて、体を温め、痛気を予防しよう、治療しようという反応なのである。

現代人は、ろくに動きもしないのにやたらと水分をとりたがる。接客のときのお茶、家で手もちぶさたのときのお茶、喫茶店でダベるときのコーヒーをはじめ、街角やビルの中にも、清涼飲料水やお茶の自販機が設置してあり、いつでも水分をとれる状態にある。

運動や肉体労働をして、汗をかいたり、筋肉に水分を利用させて水を消費するなら、水分を存分にとってもよいが、運動不足の人が水分をとりすぎると、体内に水分がたまってくる。これを、漢方では水滞(または、水毒)という。

べッドに仰向けになってもらい、親指、中指、薬指を立てて、へそのまわりを軽くたたくと、ポチャポチャと音がする人が多い。とくに女性はほぼ100%この音が出る。これは、振水音といい、体内に水滞があるサインである。胃下垂があり、胃液という水分が胃の中に多くたまっている証拠である。こういう人は、体内のあらゆる部分、とくに袋やくぼみになっている部分に水分が貯留(水滞) していることを表わしている。

涙をためている涙のう、鼻汁をためている副鼻腔なども水分過剰になっており、すぐ涙が出やすいとか鼻水・くしゃみが出やすいという症状を呈する。現代医学でいうアレルギーも、漢方では2000年も前から、水滞症としてとらえている。

アレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻水)、喘息(うすい水様痰)、アレルギー性結膜炎(涙)、アトピー(湿疹) というように、アレルギーの病気は、すべて、水分を体外に排泄する病気なのであるから、もともとは水毒なのである。