実例「気の流れ」を改善して うつ病を克服 東洋医学 (漢方)の治療とは

うつ病を克服 東洋医学

実例「気の流れ」を改善してうつ病を克服 東洋医学 (漢方)の治療について紹介します。気の流れを改善することでうつ病を改善するでも紹介したように、うつ病を実際に漢方薬を中心とした気の流れを改善することで改善した症例の紹介です。

実例「気の流れ」を改善してうつ病を克服 東洋医学

うつ病は現代社会の大きな問題ですが、西洋医学的なアプローチに加え、東洋医学(漢方)の視点も注目されています。漢方では、うつ病の多くが、生命エネルギーである「気」の流れが滞る「気滞(きたい)」や、「気」が不足する「気虚(ききょ)」といったバランスの乱れにあると考えます。本記事では、「気の流れ」を改善することで長年の抑うつ状態、不安、喉のつかえなどの心身の不調を克服し、社会復帰を果たした具体的な症例をご紹介します。東洋医学の基本概念から、実際に用いられた漢方薬や養生法**、そしてその作用機序を解説し、心身の不調に悩む方々へ、新たな治療の選択肢と希望をお届けします。

症例1

168cm、75kgで色白で小太りのTさんは、東大出の秀才で、コンピュータ関係の仕事をしておられます。3年前の冬、風邪をこじらせ、抗生物質や解熱剤を3週間も服用した後、風邪の症状はよくなりましたが、何となく体が重く、仕事の効率が上がらず、眠りが浅くなるという症状が出現しました。しばらくするとよくなるだろうとたかをくくっていましたが、徐々に悪化し、不安と焦燥感を覚えるようになっていきました。

夏になり、あまりの暑さに不快症状をビールでまぎらわせ、オフィスでも家でもガンガン冷房をかけていたところ、手足が硬くなったように動きにくくなり、四肢の関節の痛みや頭痛が出てきました。
仕事が続けられなくなり、近くの病院を訪ねると、「仮面うつ病」との診断でした。

それから、精神安定剤、抑うつ剤、睡眠薬等の投与を受け、不快症状はとれてきましたが、65kgだった体重がわずか半年で75kgになり、「すぐ疲れる=根気がない」という症状が強くなり、漢方で何とかしたいとのことでした。

診察すると、色白、小太りの体質でした。体温も35度台。仕事場は乾燥するので、コーヒーを1日5~6杯飲んでいるとのこと。食べ物も、朝はパン、牛乳、サラダなどの冷食で、昼もスパゲティーかピザ、夜は不規則で帰宅したらドカ食いをするとのことでした。

腹診では、腹が冷たく振水音がしました。「あなたのうつ病は、体の冷えが原因です。まず、コーヒーをやめて生姜紅茶にしてください。そして朝はご飯、みそ汁、納豆、ちりめんじゃこ、梅干しなどの和食にし、昼はそばにネギと七味唐辛子をたっぷりかけて食べること。夕食も和食中心にし、食べすぎないこと」等を指導しました。よく高血圧の薬(降圧剤)の副作用でうつ病になる人がいますが、血圧が下がり脳の血流が悪くなると、脳細胞の活動低下→うつになるわけです。
高血圧の治療に使われる薬について

それに、この人の体の冷え=血行不順の大もとの原因である水を排泄するため、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方しました。
また、のどに違和感があるというので、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)も処方し、通勤は極力歩くようにすること、入浴やサウナに十分に時間をかけて入ることをすすめました。

うつ病になる人は、元来、生まじめな人が多いですが、Tさんは忠実に実行され、3ヶ月で7kgもやせ、体温も36度台前半まで上昇しました。心身ともにすっきりとなり、精神安定剤と睡眠薬も不要になり、抗うつ剤も「念のため」ということで、従来の3分の1の量だけ服用するに至っています。

症例2

「私は膠原病やシューグレン、甲状腺機能低下症(橋本病)、関節リウマチ、低カリウム血症等で12年間、何種類もの化学薬品によって維持してきましたが、ただ痛みを一時的におさえこむだけで、年々立てなくなり、まだ38歳なのに先行きが不安で仕方ありませんでした。しかも、ここ1~2年は気分が落ちこみ、このまま私の人生は終わるのではないかと不安と恐怖で暗い毎日を送っていました。

しかし、わらをもつかむ思いで体を温めるということに専念しました。わずか2ヶ月後の現在、本当にウソのように痛みがありません。そして、気分も明るくなれました。本当に心から感謝しています。もっと早くこの治療法に出会いたかったです。」