毒抜きで健康

Category: 体の余分な水を排泄

今、すぐに余分な水分を排出する8つの方法 5症例の紹介(水毒改善例)

ここでは、体内の余分な水分を排出する方法をあげる。次のうち、継続できるものを1つでも生活にとり入れていくとよい。

  1. ゆで小豆や赤飯を多用する(小豆のサポニンが、利尿作用に優れているため)
    ゆで小豆の作り方は、小豆50gを洗い、水600ccを入れた鍋に入れて、小豆が軟らかくなるまで、約30分煮つめてできあがり。汁だけ飲んでも豆と一緒に食べても可。
  2. 生姜湯、生姜紅茶で発汗と利尿を促す
  3. 日常的にごぼう、にんじん、れんこん、ヤマイモなどの根菜類を食べる
    ごぼうの含有成分のイヌリンや山芋には、腎機能をよくし、排尿を促す作用がある。
  4. スイカ糖を食べる
  5. ニラ、ニンニク、ネギ、タマネギなどを食べる。こうしたアリウム属の野菜や七味唐辛子のカブサイシンには、発汗・利尿作用があるので大いに利用する
  6. 労働やスポーツを十分にやり、筋肉を動かす。余分な水分を消費するし、腎臓の血流もよくして、排尿も促進、さらに、発汗も促す
  7. 入浴、サウナ俗にいそしむ。さらに、生姜風呂、塩風呂などで体を温めると、発汗作用が強力なので、水分がよく出ていく。

症例1「原因不明の発作も、水毒をとれば解決」

「冷」「水」「痛」の三角関係でご説明したように、「冷え」と「水」には密接な関係がある。

35歳の主婦で中肉中背、これまで、健康には自信をもっていたが、6月の梅雨寒のある日、自宅で午後のお茶を飲んでいる最中、突然、めまいがし、天井や壁がグルグルと回るのを感じた。同時に、耳鳴りと吐き気を強く感じ、ほとんど動けなくなった。

家族の手を借り、ベッドまで行くのがやっとで、それから丸2日間は同様の症状がつづいた。近くのお医者さんに往診を頼み、診察後、点滴をしてもらい、やっと3日目にべッドから起きあがれるようになった。お医者さんからは「たぶん、メニエール症候群と思われるが、脳腫瘍や脳梗塞などの病気の可能性を否定するためにも、1度、脳のCTとMRI検査を受けるように」と、いわれた。

検査の結果は、脳には異常なく、メニエール症候群だったとの診断が出された。「メニエール症候群の原因は何ですか」と尋ねても、「疲れが原因で起こることが多いので、きっと、あなたも疲れていたのでしょう」と、いとも簡単にいわれただけだった。

その後、半年はいつもと同じように健康に過ごしていたが、ある日の夕方、買い物から帰り一息いれるためにお茶を飲んでいたところ、突然、動悸が始まり、息苦しくなった。

脈をとってみると、すごい速さで打っており、しかも、ときどき、脈がとんでいる。このまま死んでしまうのではないかという恐怖感さえあった。ちょうど居合わせた中学生の娘さんに救急車を呼んでもらい病院へ行き入院、胸部レントゲン写真、心電図、血液検査、尿検査などをやってもらったが、「何の異常もない」とのこと。

症状も治まり、翌日には、退院できたが、また同様の症状が起こるのではないかと不安で不安で、外出もままならないという日がつづいていた。ちょうどそのころ、「漢方薬で何か予防する方法はないのか?」と考えていた。

漢方専門薬局の薬剤師が症状を聞いてすぐ、「あなたは、水やお茶を毎日かなりお飲みになるでしょう」と尋ねると、「どうしてわかるの」という顔をして「はい」と答えた。
「最近、体が冷えると感じませんか」と尋ねると、「3年前まではママさんバレーをやり、運動していたのですが、最近は、子供の受験勉強のためにスポーツもやめ、1日じゅう家にいることが多くなり、ここ2~3年、足や腰の冷えを感じるようになり、夕方になると足がむくむことがよくあります」と答えた。

「あなたの不整脈や頻脈の発作、それに、めまい、耳鳴りなどをともなうメニエール症候群は、漢方でいう水毒です。内耳のかたつむり管に存在する、平衡感覚を司っているリンパ液(水分)が多くなりすぎますと、平衡の調節がうまくいかず、めまいを生じますし、内耳の水分で、耳閉感や耳鳴りが生じます。」と説明を受けた。
このとき、吐き気や嘔吐があったのは、胃液という水分を捨てて、少しでも水毒を改善しようとする反応だったのだ。

このメニエール症候群の発作が梅雨時に起こったのも、この考えからすれば納得できるはずです。外気の湿度が高いと、体内の水分の発散が妨げられ、いつもと同じように水分をとっていても、体内は水分過剰、つまり水寿が生ずるのです。」と説明されると、「そういえば、めまいや耳鳴りがよくなる前日から、お小水がびっくりするほどたくさん出るようになりました。発作の前は、確かに尿の回数、量ともに少なかったようです。」と、水毒の意味を理解したようだった。

「不整脈や頻脈があり、心電図で異常のないときは、やはり漢方では水毒ととらえます。水分が体内にたくさん貯留していると、体を冷やし、種々の病気を起こしてくる原因になりますので、体としては、新陳代謝をよくして、早く水を使ったり、体外へ排泄したりしようとする。一番てっとり早い方法が、脈拍を増加させること、つまり頻脈なのです。すると当然、心臓に負担がきて不整脈も生じます。あなたの不整脈や頻脈は安静時に起こったし、メニエール症候群の発作も、安静時に起きたはずです。外出時や体を動かしているときは、筋肉を動かしており、筋肉が水分を使ってくれていますし、熟も産出して体が温かいので、こんな水毒症状は起きません。もし、頻脈や不整脈が、心臓が悪くて起こるのでしたら、体を動かしているときこそ心臓に負担がかかるのですから、外出時や労働時に起こるはずです。」と説明されると、表情がだんだん明るくなり、ここ2~3年、体をあまり動かさないのに水分をとりすぎていたこと、下肢、腰が冷えてもくつ下をはかずに過ごしたことなどが、体を冷やす原因になったことに気づいた。

食事

  1. 余分な水分を摂らない
  2. 生姜紅茶、生姜湯やクズ粉を入れたものを1日に2~3回のみ、利尿を促す
  3. 小豆は、利尿作用が強力なので、玄米(または白米)に、小豆を1~2割入れて赤飯にして食べる。ほかに、ゆで小豆を常用すると、利尿作用が強力で、水毒を改善するのによい。
  4. 夏は、利尿作用の強力なスイカに自然塩をふりかけて食べるとよい。なお、夏の間に、スイカ糖を作り、冷凍庫に保存し、適宜利用する。
  5. 食事は、生野菜、果物、緑茶、コーヒー、牛乳、ビールなど水分の多い陰性食品は避け、根菜類、魚介類、赤ワインなど体を温める陽性食品をしっかり食べる。

入浴など

  1. 生姜風呂などにより、体を温めて発汗を図る。サウナや温泉旅行んどは機会があれば、積極的に参加すること。
  2. 散歩、ラジオ体挽、ダンベル運動などをはじめ、機会があればスポーツをやり、筋肉での水分の利用や発汗を促すようにする。
  3. 万一、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、不整脈、頻脈などの発作が起きても、「たかが水毒」だと信じて気持ちを落ちつけること。
  4. 茯苓や白朮などの利尿作用を有する成分と、血行をよくする桂皮を含んだ苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)は、水毒よりくる、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、不安、不眠、ノイローゼによく効くので、しばらく服用する。

以上のことを心がけて毎日を送っていて、以後、5年経った今も、1回も発作は起こらず、健康そのものの生活を送っている。

症例2「高脂血症が生活療法で改善」

150cm45kgのやせ型、40歳代の主婦が検診を受けたところ、赤血球、白血球、肝機能、腎機能などにまったく異常はないが、血液中のコレステロールと中性脂肪が高い(高脂血症)という結果が出た。

担当の医師から「あなたは、肉、卵、バター、ハム、マヨネーズなどの欧米食が大好きなんでしょう」といわれたので、「私は小さいころから和食が好きで、肉の脂を見ただけで吐き気がしますし、牛乳を飲むと下痢をしますので、これまでほとんど口にしたことがありません」というと、「それでは、あなたは便秘体質ですか?」といわれたとのこと。

毎日、肝臓で合成されるコレステロールは、胆汁とともに腸に排泄され、大便で排泄されるのが、便秘をすると捨てられるべきコレステロールが腸から血液のほうに吸収されて、血中のコレステロールが上昇するので、便秘が高脂血症の原因になることが多い。

しかし、「私は下痢症で、食べすぎ、脂っこいもののとりすぎ、牛乳などですぐ下痢をします」と答えると、医師は首をかしげ、「それでは、あなたの高脂血症は、遺伝的な家族性の高脂血症でしょう。兄弟、親、子供さんらと一緒に精密検査を一度してみましょう」との答えが返ってきた。

少し水分の多い食べ物を食べても下痢をしてしまう。トマトやコーヒーでも下痢をするという下痢症なのだ。となると、自然医学的には、答えは簡単。
「カマドに石炭を、また、ストーブに石油を入れ火をつけると、石炭や石油は燃えますね。でも、火をつけなかったり、せっかく火をつけても、水をかけた㈱ら燃えずに石炭や石油が残りますね。体のエネルギー源になっているのは、コレステロールや中性脂肪なんです。つまり、石炭や石油にあたるものです。冷え性ということは、こうした燃料があっても、十分に火で燃やしていないために、燃料が残っている状態なんですよ。それが高脂血症です。」と医師がいうと、不安そうだった顔がみるみる納得の表情に変わった。そして、

  • 水、お茶、コーヒー、コーラ、ジュースなど、体を冷やす水分をとりすぎないこと
  • 毎朝、毎夕に生姜湯を1~2杯ずつ服用すること
  • みそ汁、醤油、明太子、ちりめんじゃこ、など塩の漉い食べ物も十分にとること
  • 毎日、散歩すること
  • 風呂には十分に長く入り、できれば、自然塩を浴槽に入れて、保温を高めること

などを実行したところ、半年後には270mg/dlあったコレステロールが210mg/dlに、300mg/dl あった中性脂肪が160mg/dlに減少し、下痢もしなくなり、大変快調になった。

症例3「総合病院で解消しなかったむくみのとりかた」

実年齢よりもかなり若く見える65歳になる女性の症例。こちらの女性は、今も現役で会社も経営されているのだが、疲れがたまったり、寝不足がつづくと顔、手、下肢がむくみ、便秘になって、体が重く、心身ともにスッキリしない症状。

近所の総合病院で受診して検査をしてもらっても、心臓、腎臓ともに正常で、血液中のタンパク質も十分にあり、むくみの原因は見つからないとのことだった。
血圧は、110/70mmHG、と年齢にしては低く、朝方も何かやる気がでずに、昼から夕方にかけて元気が出る、とのことで、いわゆる低血圧症である。体温も平均が36度と低い。これは、つまり、新陳代謝が悪いのである。

冷えると水の代謝つまり水分を排泄する力が弱くなるので、どうしても体に水がたまる。そこで生活習慣の注意事項をまとめ、それを実行してもらうことにした。

  • シャワーですませていた入浴を、毎日、ゆっくり湯船に入って体を温める。
  • サウナに週2~3回入ること(サウナに入った後は、これまでもむくみもとれ、スッキリしていたという)。
  • 生野菜、果物、サラダ、酢のものなど、体を冷やす食べ物の摂取は極力さけ、むしろ、塩のきいたみそ汁、漬け物、明太子、ちりめんじゃこなどもほしいときはしっかりとり、体を温めること
  • 朝の散歩は欠かさずやること(1日20~30分)
  • 下腹部や背部の腎臓のある位置には、保温をする器具(カイロや温湿布など)をあてること

などを守っていると、尿の回数も1回の量も増え、よほどのことがない限り、むくむことがなくなった。

症例4「薬が効かなかった肝炎が回復」

10年前に職場の健康診断でGPT60とやや高値なので、病院で受診するようにいわれ、大学病院に通院するようになり、6年前にC型肝炎という診断がくだされた45歳の男性。

側湾症による腰痛もあり、とにかく、良質の高タンパクをとり、食後1時間は右を下にして休み、日ごろの生活も安静を守るよう指導され、いわれるとおりの生活療法をしたが、何となく体の流れが悪いような感じで、体が重く不調で、GPTも60~90 の間を推移して、一向によくなる気配がない。

2年前に「インターフェロン療法」をすすめられ1ヶ月入院し、その後、外来でさらに1ヶ月の通院、インターフェロンの注射を受けた。
治療中は全身倦怠感、脱毛、発熱、うつ状態など種々の症状が出たが、それに耐えた結果、GPTも30以内になり、主治医からももう「大丈夫」といわれ大喜びをしたのもつかの間、約1ヶ月後にはGPTが何と1000にも上昇してしまった。

主治医からは「リバウンド」といわれ、強力ミノファーゲンCの注射を以後ずっと1日おきに1年以上も続けた。それでもGPTが150くらいと一向に正常になる気配がない。

C型肝炎の一般の経過は慢性肝炎→肝硬変→肝ガンといわれているし、このままでは将来が不安、ということで別の治療を模索。

問診により、とくに目立つ自覚症状はないが、10年前に患った腎臓結石のために、毎日、無理して大量の水分を摂取しているよう。
人間にとって水は、生命にとっても一番大切なものではある。しかし、漢方では「水毒」という概念があり、余分な水分は、体を冷やし、体内のすべての液体( =血液、リンパ液、胆汁、尿など)の流れを悪くし、いろいろな障害を作りだすと考える。「冷→水→痛」の関係より、余分な水分は、冷えをつくり、痛みの原因にもなる。

症例6「水分を流し出す基本食だけで健康をとり戻すことができた」

日ごろはスポーツマンで、年齢よりも若く見られ、すこぶる元気であるが、「今年の夏、ビールを飲みすぎ、下痢をした。その後、胃腸の調子が悪く、食欲はあるのに、腹の中のガスのため、あまり食べられない、ゴロゴロと腹鳴がする、ときどきものすごい腹痛が襲ってくる、という60歳男性の症例。
ガスコンという薬を処方されたが、同様の症状が2週間以上もつづいている。

ビールの飲みすぎで、腸を冷やし、腸内細菌のバランスの乱れ(善玉菌の減少、悪玉菌の増加) が生じた結果なので、まず、よくかんで少食にし、梅番茶を朝、昼、夕の3回、食前に飲用してもらうことにした。すると、2日目ごろより腹鳴がなくなり、腹痛も消失し、スッキリした便が出て食欲も湧いてきた。1週間ですっかり元の健康体に戻って、以後、大の生姜ファンになった。
毎日、みそ汁には生姜をきざんで入れ、冷や奴を食べるときも、おろし生姜を使う。

冬の冷えには「金時しょうが」を使って便秘を解消にもあるように、便秘解消効果にも生姜はおすすめだ。

医者が口にしない検査値の意味

肝機能検査である、GOT、GPT、LDH、LAP、ALPと同じ項に必ずγGTPという検査項目がある。正常範囲が60以内であるが、人間ドックや健康診断で、この値が0を超えようものなら、すぐ「酒飲み」の烙印が押される。
検査結果を説明するドクターが、γGTPの高い人を前に「あなたは、アルコールのとりすぎだから、今後控えないと、そのうちにGOT、GPTも上昇し、アルコール性肝炎や脂肪肝になり、何年後かには肝硬変になりますよ」と脅かすと、上戸のご仁たちは頭をかきながら、テレ笑いをし、「今後極力控えるように努力します」とへらへらする。

しかし、中には「私は一滴もアルコールは飲めません」という、γGTP高値の人もいる。そうなると、説明する医師のほうも困惑し、「それじゃ、胆石や膵炎の検査でもやりましょうか」という話になる。しかし、その検査をやっても異常のない人がほとんど。

アルコールを飲めないのに、また、少ししか飲まないのに、γGTPが高い人をよく観察すると、水、お茶、コーヒー、ジュースなど、水分をとるのが大好きな人である。
水分をとりすぎると、肝臓内を流れて胃腸に注がれる胆汁という消化液(水分の流れが悪くなり、γGTPが上昇してくる。考えてみると、ビールの93% 、日本酒の86.5% 、同じくワインの85~90% くらいが水分である。よって、アルコールを飲むということは、水分をとるということと同じことになる。

漢方では二日酔いのことをアルコールで酔うとは考えないで、「水」で酔うと考える。よく考えてみると、

二日酔いのときの症状は、頭痛、嘔吐、頻尿、下痢、鼻づまり(鼻水・くしゃみ) など、水の滞り(水毒)の症状である。二日酔いの漢方の妙薬は、五苓散(ごれいさん)

こう考えてくると、γGTPの高値は「水の滞り」を表わしていることになる。よって、アトピーや喘息、アレルギー性鼻炎など、アレルギー疾患の人にγGTPが高値の人が多いのも、よく理解できるのである。

アルコール過剰の人やアレルギー体質の人で、γGTPが高値の人は、水の滞りがあることを理解し、散歩をはじめ、スポーツや労働、入浴、サウナなどで、体を温めて発汗・利尿を促し、余分な水を出す方法を1つでも多く講じると、γGTPが下がってくる。γGTPが高く、酒好きで、どうしても酒がやめられない人も、この方法で発汗・利尿を促されるとよい。

こうした「水の滞り」のある人で、「毎日、だるくてだるくてしょうがない」とか「まったくやる気が起きない」と訴える人がよくいる。このとき、「私どもは誰でも、天気のよいカラッとした日には気分がよいし、雨の日は気分が落ちこんだり、やる気がしないことを経験したことがある。

体内に水が滞っている人は、1日中、1年中、雨の中にいるようなもので、だるいとか、やる気がしない…というのはあたりまえのことだ」と話して、後述する体内から水を排泄する方法を講じてもらうと、ほとんどの人が気力ややる気を回復してくる。このように、「水の滞り」は「気の滞り」を招くこともあるわけだ。もちろん、反対に体内のあらゆる生命現象を司り、体内の流れを調節している「気」が滞ると、「水の滞り」が起こることもよくある。

血行をよくして、体内の水の排泄を促すだけの薬が、不安や不眠にも奏功するといぅことは、余分な水分(水毒=水の滞り)が「気の滞り」の原因にもなり得るとの証拠である。

はっきりしない症状やすっきりしない症状

リウマチを患っている肩に「お茶が好きでしょう。果物もよく食べられるでしょう」と尋ねて、「いいえ」と答えた人は1人もいない。必ず「大好きです。どうしてわかるのですか」との答えが返ってくる。

西洋医学では、リウマチは免疫の異常の疾患に分類され、その成因について、とても難しい研究がなされている。

しかし、リウマチの漢方薬の代表といえば桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)であるが、これは、体を温める作用のある桂枝(ニッキ)、大棗(なつめ)、甘草、附子と利尿作用のある蒼朮により構成されている。
リウマチは「冷え」と「水の滞り」からくる病気だととらえられてきたということでもある。

リウマチの痛みが梅雨時や雨の日、寒い日やクーラーで冷やされるときに悪化することを考えれば、よく理解できる。

世の中に、「頭痛もち」で何年も何十年も、痛み止めを連用し、これは持病だとあきらめている人も多い。「痛み」は基本的に冷えと水の滞りからくるのに、鎮痛剤の多くは解熱作用も有している。
よって、鎮痛(解熱)剤を服用することによって、剃那的な痛みは止まるが、体を冷やすので、次の痛みの原因になる、ということが往々にしてあるのである。

こういう慢性の偏頭痛もちの人は、ひどくなると嘔吐するものだが、これは胃液という水分を排泄して、水の滞りをなくそうとする反応にほかならない。こういう偏頭痛もちの人に、五苓散(ごれいさん)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方すると効能を発揮します。

五苓散(ごれいさん)は、ふつうは、むくみ、乏尿、下痢などに使われる薬だが偏頭痛、嘔吐、めまい、耳鳴り、不安、不眠、フワーツとする感じ、立ちくらみにもよく効く。

つまり、こうした不定愁訴が、水の滞りよりきていることがよくわかる。この点からも、「水の滞り」が「気の滞り」を引きおこすことがよくわかる。よほどの冷え性で、うなじ(首の後ろ) のこりや痛み、偏頭痛や嘔吐をともなう症状に、呉茱萸湯を処方して、著しい効果が出ることがよくある。

ふつうは、風邪薬として有名な葛根湯(かっこんとう)も、日ごろ汗が出にくく、首の後ろのほうがまおうこる頭痛によく効くことがある。葛根湯も、葛根( クズの根)、麻黄、生姜、なつめ、桂枝など、体を温めて、発汗を促し、体内の余分な水分を排泄して、頭痛・肩こりに効き目がある。

水が滞っている時の体の症状とサイン

こうした振水音は、ただ体を動かすだけで自分自身で聞きとれることもあるが、水滞は、一見すればわかることも多い。

たとえば、大根足、下半身デブである。

ビニール袋に水を入れて、手で吊り下げると下方が膨らむように、水分は重力によって下半身にたまりやすくなる。女性がよく「下肢がむくむ」「大根足」「下半身デブ」と嘆くのは、水によるもの。

下半身に水分がたまる→半身は冷えやすくなる→半身に存在する子宮や卵巣の病気(生理不順・生理痛、子宮筋腫、子宮ガン、卵巣のう腫)になりやすくなる。

また、下半身が冷えるということは、半身に存在していた熱や血や気が上半身に上昇してくることになる。よって、心臓病ではないのにドキドキ(動悸)したり、肺の病気ではないのに、突きあげられたような息苦しさを覚えたり、顔の発赤、発疹、せき、ライラ、不安、不眠、吐き気、咳、口内炎、口臭など、下から上へ突き上げられたような症状のオンパレードとなる。
これが西洋医学でいう「自律神経失調症」や「更年期障害」である。ここで「水の滞り」と「気の滞り」が関連していることがわかる。

メニエールル症候群という病気がある。めまい、耳鳴りを主症状とし、ひどくなると吐き気・嘔吐、目の奥の痛みを訴える。メニエール症候群の人の腹診をすると、必ず、振水音がする。やはり水毒による病気なのである。

耳の奥のほうに存在する内耳リンパ液(という水分)は、体が傾いたときに、内耳の中で動くことによって、平衡感覚を司っている。
振水音が存在するような水滞のある人は、このリンパ液も多く、少し体が動いたとき、大きく動いたように感じる。これがめまいである。内耳の中の水分(リンパ液)も多いので、水泳中に耳に水が入ったように耳鳴りがする。よって、体としては、余分な水分を捨てて、内耳の水分を減らすべく、嘔吐(胃液の排泄) を呈することもあるわけだ。

また目の中の房水が増加すると、目の奥のほうに痛みを感じることがある。これらが、メニエール症候群の症状なのである。

水分の摂りすぎによる害

このように、冷えと関係して病気が起こるのだし、その「冷え」の大きな要因が水分(雨に濡れると体が冷えることを想像するとわかりやすい)なのだから、人間、冷えた場合、余分な水分を捨てて、水・くしゃみを出す、体を温めようとするメカニズムを働かせるのだ。

寝冷えをすると下痢(水様便)をする、冷えて風邪をひくと鼻水、くしゃみを出す偏頭痛もちの人がひどくなると嘔吐(胃液という水分の排泄)する、大病すると寝汗(水分を排泄して体を温め、病気と闘う) をかく、年寄りが夜間頻尿(水分を捨てて体を温め、夜間から明け方にかけて起こりやすい血栓症を予防)になるというのは、すべて、水分を捨てて、体を温め、痛気を予防しよう、治療しようという反応なのである。

現代人は、ろくに動きもしないのにやたらと水分をとりたがる。接客のときのお茶、家で手もちぶさたのときのお茶、喫茶店でダベるときのコーヒーをはじめ、街角やビルの中にも、清涼飲料水やお茶の自販機が設置してあり、いつでも水分をとれる状態にある。

運動や肉体労働をして、汗をかいたり、筋肉に水分を利用させて水を消費するなら、水分を存分にとってもよいが、運動不足の人が水分をとりすぎると、体内に水分がたまってくる。これを、漢方では水滞(または、水毒)という。

べッドに仰向けになってもらい、親指、中指、薬指を立てて、へそのまわりを軽くたたくと、ポチャポチャと音がする人が多い。とくに女性はほぼ100%この音が出る。これは、振水音といい、体内に水滞があるサインである。胃下垂があり、胃液という水分が胃の中に多くたまっている証拠である。こういう人は、体内のあらゆる部分、とくに袋やくぼみになっている部分に水分が貯留(水滞) していることを表わしている。

涙をためている涙のう、鼻汁をためている副鼻腔なども水分過剰になっており、すぐ涙が出やすいとか鼻水・くしゃみが出やすいという症状を呈する。現代医学でいうアレルギーも、漢方では2000年も前から、水滞症としてとらえている。

アレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻水)、喘息(うすい水様痰)、アレルギー性結膜炎(涙)、アトピー(湿疹) というように、アレルギーの病気は、すべて、水分を体外に排泄する病気なのであるから、もともとは水毒なのである。

現代医学は、重要な「冷え」と「水」の相関関係を見ていない

「何となくスッキリしない」「体(の流れ) がよどんでいるようだ」という人の中には、その原因が「水」から来ている人も多い。脳血栓や心筋梗塞など、血栓症での死亡者が毎年30万人もおり、日本人の死因の2位、3位を占めているので、やたらと「水分をとるように」という健康指導が西洋医学を中心になされている。

人体の60~65%は水分でできているし、体内のすべての化学反応が水がらみで行われているのだから、水が大切なことはわかりきっている。水のないところには、生命の存在はありえない。しかし「過ぎたるは及ばざるがごとし」体内に多すぎると、種々の害が出てくる。

植木に水をかけないと枯れるが、かけすぎると根が腐るし、のたとえどおり、水も我々の体外(大気)の水分が多い状態=高湿度では、不快指数なる表現で、心身の不快感の度合いが表わされている。よって、「水」は諸刃の剣的な一面をもっている。

よく子供が寝冷えすると下痢(水様便)(冷→水)するし、冷房に入ると頭痛や腹痛(冷→痛)を訴える人もいる。雨(水)が降ると、神経痛やリウマチの痛み(水→痛)が悪化することもよくある。
また、雨(水) にぬれると体が冷える(水→冷)は、誰しも経験のあるところだ。このように、「冷・水・痛」は、お互いに関係している。どんな健康な人でも、冬山で遭難すると外傷を負わなくても、冷えのために死ぬこともある。
つまり、人間は、冷えると死ぬのだ。

そういう特殊な事情を除くと、本当に健康な人は病気をしない。風邪でも、ガンでも心臓病でも、精神疾患でも、病気は健康から少し死のほうに寄ったところにある。
ということは、冷えると病気しやすく、死に近づく、という理屈になる。よって、冬は風邪、脳卒中、心筋梗塞をはじめ、ガンや膠原病、胃腸病…など、ほとんどの病気での死亡率が高くなる。

風邪は万病のもと言われるが、英語では風邪はcold(冷え)である。よって「冷えは万病のもと」である。

人間は、「赤ちゃん」という体熱が高く、赤血球の多い、多血症(貧血の反対)の状態で生まれ、白髪になり、白内障を患い、皮膚に白斑が生ずるという、だんだん、体全体が白っぼくなる「白」の状態で老化・死亡していく。「白」は、雪の色が白いように、冷える色。冷蔵庫に食べ物を入れると硬くなるし、水も冷やすと硬くなる(氷)ように、宇宙の物体は、人間の体も含めてすべて冷やすと硬くなる。

から、体温の高い赤ん坊の肌はマシュマロのように柔らかいし、老人の肌はカサカサと硬い。若い人の立ち居振る舞いはしなやかだが、老人のそれは、硬くてぎこちない。
筋肉や骨の体温が低いからだ。体の表面(骨・筋・皮膚) の体温が低いのに、内臓の体温だけが高いということはありえないのだから、内臓も硬くなる症状がだんだんと表われてくる。
それが、動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞であり、ガンである。ガンは「(やまいだれ) の中に岳=岩で、やはり硬い病気であることを表わしている。

まり、ある一面、冷えの病気なのだ。よって、甲状腺の働きが活発になり、新陳代謝がよくなりすぎるために、イライラしてやせてきて、発熱や下痢をするバセドゥ病の人の発ガン率は、一般の人の1000分の1以下なのである。

ガン細胞と正常細胞を培養して、熱を上げていくと、正常細胞は43度まで生きているが、ガン細胞は39.6以上になると死滅する。

自然治癒したガン患者は、肺炎や丹毒に罹患し、発熱していた人であった。ことほど左様に、ガン細胞は熱に弱いのである。

人間の体には、頭から足の先まで、どこにでもガンができるが、心臓ガンと脾臓ガンというのは聞いたことがない。心臓は四六時中働きつづけて、発熱量の多い臓器であるし、肺臓には赤血球という赤い(温かい)血球が集まり、やはり体温の高い臓器だからであろう。

逆に、発ガン性の高いところは、肺、食道、胃、大腸、子宮など外界とつながってくかんいる管腔臓器である。体温が低くなりやすい特徴がある。また、乳房も躯幹から突出して存在しているので、体温が下がりやすく、そのため、乳ガンが発生しやすいと考えてよい。

女性に多い強皮症、SLE、シューグレン症候群などの膠原病も、皮膚や内臓が硬くなる病気だから、ある面冷えの病気だ。自己免疫病とされるクローン病も腸管が鉛状に硬くなるので、冷えの病気である。
うつ病や自殺も体温の低い人に起こりやすいし、北欧や北日本に多いことを考えると、冷えと関係している。痛風も人間の足先(指)という、体温が27~28度しかないところで尿酸が固まって起こる病気なので、冷えの病気である。高脂血症や高血糖(糖尿病) も血液内の脂肪や糖分が十分に燃焼できずにたまりすぎている状態なので、やはり、冷えと関係している。脂肪や糖分は体温が高ければ、体内で燃焼されるべきものだからだ。

人間の病気というのは、必ず、血行の悪いところに起きてくる。なぜなら、血液は、水、酸素、栄養、白血球、免疫物質を抱きかかえて、全身の臓器、細胞に送りこんでいるのだから。

行の悪いところ、つまり、冷えた部分には、病気が発生しやすいわけだ。よって、人間、腹が痛いときには腹に手を当てるし、頭が痛いときには、頭に手を当てる。これが「お手当て」であり治療の第一歩というわけだ。手を当てて、血行をよくして温め、栄養と免疫物質の供給を多くして、治癒を図ろうとする自然の英知なのである。

知らず知らずのうちに余分な水をため込んでしまっている

うつ病やうつ的状態に陥ると、何となく体がだるい、動きたくない、やる気がない…などの精神症状にプラスして、食欲がなくなる、便秘する、尿の出が悪くなる…などの身体症状も出現することが多い。

「尿の出が悪くなる」ということは、体内に「余分な水分がたまる=滞る」ことであり、「気の滞り」(うつ)が「水の滞り」の原因になったという証拠である。
新陳代謝を促すサイロキシンというホルモンを分泌する甲状腺の働きが低下しておこる粘液水腫(甲状腺機能低下症)という病気は、体温が低下し、体のあらゆる代謝が滞るので、むくみ(水の滞り)、便秘、動作の不活発などの身体症状の発現後、やる気がしない、計算したくない…という「気」の流れの滞りの症状が出てくる。

巷には「水を飲んでも、お茶を飲んでも太る」という人がいるが、これは漢方でいう色白水太りの陰性体質の肥満である。つまり「水の滞り」からくる肥満である。

このタイプの肥満の人は、体温が低下する、甲状腺機能低下症と病態がよく似ている。そして、やはり「やる気がしない」「何となくだるい」「根気がない」…などと訴えることが多い。こうした例は、「水の滞り」が「気の滞り」を引きおこすということを示している。

心臓弁膜症や心筋梗塞などにより、心臓の力が低下し、全身の血流が悪くなり、つまり「血が滞る」と、やがて心不全に陥る。すると、まず下肢からむくみはじめ、悪化すると、肺や肝臓や胃腸などの内臓にも水が滞り、肺水腫やうっ血肝(肝腫大)を起こす。
このことは、「血の滞り」が「水の滞り」を起こすことを物語っている。逆に、慢性腎炎や糖尿病性腎症などから腎不全にかかり、尿の出が悪くなって、全身にむくみが出てくると、やがて、心不全に陥る。すると、全身の血行が悪くなり、ひどくなると出血や血栓を起こすこともある。これは「水の滞り」が「血の滞り」を誘発したことを意味する。

ことほど左様に、あらゆる病気に、「水の滞り」は関与しているものだし、もちろん、「気」や「血」とも大いに関係して、「水」は、人間の健康や病気に大きく関わっていることがわかるのである。

Copyright © 2018 毒抜きで健康

Theme by Anders NorenUp ↑