うつ病やうつ的状態に陥ると、何となく体がだるい、動きたくない、やる気がない…などの精神症状にプラスして、食欲がなくなる、便秘する、尿の出が悪くなる…などの身体症状も出現することが多い。

「尿の出が悪くなる」ということは、体内に「余分な水分がたまる=滞る」ことであり、「気の滞り」(うつ)が「水の滞り」の原因になったという証拠である。
新陳代謝を促すサイロキシンというホルモンを分泌する甲状腺の働きが低下しておこる粘液水腫(甲状腺機能低下症)という病気は、体温が低下し、体のあらゆる代謝が滞るので、むくみ(水の滞り)、便秘、動作の不活発などの身体症状の発現後、やる気がしない、計算したくない…という「気」の流れの滞りの症状が出てくる。

巷には「水を飲んでも、お茶を飲んでも太る」という人がいるが、これは漢方でいう色白水太りの陰性体質の肥満である。つまり「水の滞り」からくる肥満である。

このタイプの肥満の人は、体温が低下する、甲状腺機能低下症と病態がよく似ている。そして、やはり「やる気がしない」「何となくだるい」「根気がない」…などと訴えることが多い。こうした例は、「水の滞り」が「気の滞り」を引きおこすということを示している。

心臓弁膜症や心筋梗塞などにより、心臓の力が低下し、全身の血流が悪くなり、つまり「血が滞る」と、やがて心不全に陥る。すると、まず下肢からむくみはじめ、悪化すると、肺や肝臓や胃腸などの内臓にも水が滞り、肺水腫やうっ血肝(肝腫大)を起こす。
このことは、「血の滞り」が「水の滞り」を起こすことを物語っている。逆に、慢性腎炎や糖尿病性腎症などから腎不全にかかり、尿の出が悪くなって、全身にむくみが出てくると、やがて、心不全に陥る。すると、全身の血行が悪くなり、ひどくなると出血や血栓を起こすこともある。これは「水の滞り」が「血の滞り」を誘発したことを意味する。

ことほど左様に、あらゆる病気に、「水の滞り」は関与しているものだし、もちろん、「気」や「血」とも大いに関係して、「水」は、人間の健康や病気に大きく関わっていることがわかるのである。