血の滞りが、いかに多くの症状の原因になってるかがわかっただろう。ここで、そうした血の滞りを解消するための手だてを紹介する。

1.良く噛んで食べ腹八分目

太っている人は、たいてい早食い。胃腸に入った食べ物が、血液のほうに吸収されると血糖が上昇してきて、脳の満腹中枢を刺激して、満腹感を覚える。
早食いの人は、血糖が上昇して満腹を覚える前に、たくさんの食べ物を胃腸につめこむことになり、どうしても過食になる。過食すると血液中の糖、脂肪、タンパク質などの栄養物質が過剰になるし、十分に消化されずにできる「中間代謝物=燃えカス」も増えて、血液が汚れて血が滞る。

2.穀類、野菜・果物、肉・魚の比を6:3:1の比率にして食べる

人間の歯の形からして、穀物、豆類を62.5% 、野菜・果物を25% 、魚・肉を12.5% の割合で食べるのが一番の健康的な食べ方になる。簡単な数字で表すと約6対3対1の割合である。それによって、血液もサラサラになり、血の滞りが起きないということになる。

獣肉のとりすぎは、血栓を作りやすくする。獣肉の脂は、常温で固体の飽和脂肪酸であり、血液に吸収されると、血液を固まりやすくすることがわかっている。逆に、魚の脂のEPAやDHA などの不飽和脂肪酸は、血栓を溶かし、血液をサラサラにしてくれる。

また、エビ、カニ、イカ、タコ、牡蠣などの魚介類には、タウリンというアミノ酸が含まれており、血栓を溶かして、血液をサラサラにするほか、胆石の溶解、肝臓の庇護、アルコールの解毒、ガンの転移の阻止、糖尿病の予防、筋肉疲労の解消、血中コレステロール・中性脂肪の低下作用などがあることがわかっている。

3.体を温める食べ物をしっかり食べる

容器に入れた砂糖水や塩水も、冷やすと砂糖や塩が析出して固まるし、逆に、温めるとそれ以上に砂糖や塩を入れても溶ける。

血液も同じである。体を冷やす陰性食品をたくさん食べると、体=血液も冷えて血液の成分が固まりやすくなり、ドロドロしてくるし、逆に、陽性食品をしっかり食べると、体温も血液の温度も高くなり、血液中の物質もよく溶けて、血液がサラサラになる。

4.セリ科の食物、発酵食品などをしっかり摂る

漢方薬の駆瘀血剤に、当帰芍薬散や四物湯がある。この生薬に含有されている成分が川芎というセリ科の植物である。この物質からビラシンなる血液凝固を防ぐ物質が発見され、血液をサラサラにする主成分であると注目されている。

昔からヨーロッパでは、セロリは体内のかたまり(血栓、結石)を溶かす作用がある、と民間療法でいい伝えられてきたが、セロリ、パセリ、ニンジン、セリなどは、セリ科の植物であるので、ピラシンを含み、抗血栓作用があると考えてよい。
また、このピラシンは、納豆、チーズ、みそ、醤油などの発酵食品にも含まれているので、血液をきれいにするためには、こうした発酵食品を日ごろから存分にとりたいものだ。
とくに納豆には、抗凝血作用の強力なナットウキナーゼが含まれている。脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症は、明け方から午前9時ごろまでに多発するので、夕食に納豆を食べて、予防するとよい。

ほかに、ネギ、ニラ、タマネギ、ニンニクに含まれているアリルメチルトリスルフィドも抗凝血作用があるし、香味の強いシソ科の植物(シソ、ハッカ)にも同様の作用がある。

たまねぎに血液浄化力は強力で夏に多発する血栓を防止し、脳梗塞やボケを遠ざける

また、緑茶や紅茶に含まれるカテキンにも抗凝血作用がある。アルコールも適度(日本酒2合、ウィスキーダブル2杯、ビール2本、ワイングラス2~3 杯以内)に飲むと、善玉コレステロールのHDLが増加し、血液の流れをよくして動脈硬化を防いでくれることがわかっている。
アルコールは、ほかにも血管の内皮細胞からのウロキナーゼの産生を促し、血栓を予防し、血をサラサラにしてくれる作用もある。
コレラO157、インフルエンザにも効くカテキンの強力な作用

酒は飲み方によっては血液の滞りを改善し、「百薬の長」となるのである。

5.食物繊維を十分に摂取する

米や芋のセルロース、リンゴやミカンのペクチン、コンニャクのグルコマンナン、海藻のカラゲナンなどの食物繊維は、人間の腸の中では、消化も分解もされないので、一時は無用の長物と見なされていたこともあった。
しかし、腸壁を刺激して嬬動を促進し、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内有用菌の増殖を助けて、排便を促してくれる。

大便の排泄が止まり、便秘になると、当然、人間の体内の気・血・水の流れも滞ってくる。よって、便秘がひどくなると、気分も滞りがちになるし、血も滞り、瘀血=汚血を生じ、吹き出物や発疹が生じやすくなる。また、尿の出も悪くなることがよくある。
便秘・下痢

食物繊維はまた、腸の中でだぶついているコレステロール、脂肪、糖、ダイオキシン、食物中の残留農薬、発ガン物質、化学物質などを抱きかかえてお通じとともに捨ててくれる、腸内の竹ぼうき的な働きもする。よって、腸内が浄化され、血液もきれいになるのである。

6.入浴、スポーツなどで体を温める

入浴・温泉浴・サウナ浴、スポーツなどで体を温め、発汗するとスカッとさわやかな気分になる。これは、血行がよくなり、水分の滞りがとれると、気の滞りもとれるという、何よりの証拠である。入浴、スポーツで体温が上がると、血栓を溶解するプラスミンという酵素の産生が促されて、血液がサラサラになる。また、血液中の白血球の働きが活性化し、白血球が血液中の老廃物を会食する能力が高まり、血液がきれいになる。

白血球は、殺菌や免疫にかかわっているというのが西洋医学的見解であるが、白血球の一番の存在意義は、体や血液の中の老廃物・有毒物の会食・処理なのである。

肺炎や気管支炎など細菌感染症で、血液中の白血球は増加するが、ヘビースモーカーの人や肥満の人の血中白血球も多い。ヘビースモーカーや太った人の血液中には老廃物が多いという証拠である。

7.瞑想・イメージ療法をおこなう

瞑想したり、自分が一番楽しいと思う趣味に没頭したり、昔の楽しかったことを思い浮かべたりすると、脳からはβ・エンドルフィンなどのホルモン洋物質が分泌され、血行がよくなり、体が温まり、血液がきれいになる。

その結果、血の滞り、気の滞り、水の滞りも改善される。昔から、何らかの宗教に帰依し、深い信仰心をもつことで、病気が治るとよくいわれるが、これは、心の安泰が気・血・水の滞りを治す結果であると思われる。

症例1「化学療法なしで骨髄性白血病を改善」

鼻血が出やすくり、傷口など治りにくい症状があり、ときどき、不明熱が出て、何となく体が重く、疲労感も存在したので、近くの病院を訪れたところ、白血球数が6万も存在し、ただちに、慢性骨髄性白血病と診断され、骨髄移植をするために大学病院を紹介された。

患者は180センチの65キログラムのハンサムな男性。これまでの食生活上の好みを聞いてみると、肉、卵、牛乳が大好きで、とくに牛乳は朝と夕方の2回飲むほどの大好物。

漢方医学には、「相似の理論」という考えがある。青白い顔の貧血の人には、ホウレン草、プルーン、レバーなどの黒っぼい食べ物を十分とらせるようにし、また逆に高血圧で赤ら顔の人には、青野菜や牛乳など青白い食べ物を食べさせるとよい、という理論である。つまり、その人に欠落している物(色)を似た物(色)で補ってやるという考え方である。

白血病の子供は、例外なく、牛乳、白砂糖、自パン、化学調味料など「白い食物」が大好物である。つまり、「白い食べ物」を食べると、血液中の白血球という「白い細胞」が増えるというわけである。

この青年も、その例外ではなく、牛乳が大好きとのことなので、まず牛乳をはじめ、甘いもの、精白食品をやめていただき、玄米、黒ゴマ、小豆、黒豆、ひじき、ワカメ、ホウレン草、浅草のりなどの黒っぼい食べ物、動物性食品は、…エビ、カニ、貝などの磯のものに、ときどき小魚や自身の魚をとるように指導…し、甘味料は、黒砂糖とハチミツに変えるように指導。。そして、l日、朝・夕の2回の人参・リンゴジュース(赤ジュース)を飲んでもらい、ウェイトトレーニングをすすめた。筋肉という赤い細胞を増やして、白血病という白い細胞に対抗して駆逐させる目的。

そうしたところ、体重も5~6kg増えて、血色もよくなり、倦怠感、疲労感、鼻血もなくなり、白血球も4000~6000と正常化した。大学病院では、インターフェロンのみの治療で経過観察していたが、骨髄穿刺の検査では、やるたびに、「白血病の悪性細胞が減って、よい細胞が増えている」といわれている。

もう発病後16年目を迎えるが、仕事にスポーツにと、大変元気な生活を送っている。

筋肉運動で、体を温めて血流をよくし、体を冷やす陰性食品を控え、体を温める食べ物に変え、ニンジン・リンゴのジュースを飲むことで、瘀血の究極の病気といえる白血病が緩解しているという症例である。

症例2「狭心症も静脈瘤も自然療法で向き合う」

狭心症と下肢の静脈癖、偏頭痛で数年来、悩んでいる60歳の主婦。狭心症、静脈痛は、いわゆる瘀血の症状。診察しても「下肢が冷えて、上半身はのぼせる」症状が続く。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など駆瘀血剤を処方して様子を見ていたが、とくに改善傾向がみられない。

あるとき、両膝に痛みがきて、整形外科へ行き、注射を打ってもらったらすぐよくなったので、毎日注射をしてもらいに通っていたが、看護師さんにそっと何の注射かを聞いてびっくり。「ステロイドの注射」とのことで連絡があった。

「ステロイドの注射を長期に投与すると、将来的にはかえって骨がもろくなる」ことを話したところ、一大決心をしたように「はい、わかりました」と返事され1日1万歩の散歩を実行。

はじめの1週間は、膝も痛いし、下肢の筋肉はつるし、体も疲れるということで、大変だったようだが、1ヶ月経過したころから歩くことが楽しくなり、3ヶ月目には、膝の痛みはおろか、下肢の静脈痛も日立たなくなり、心電図をとっても虚血性変化が見られず、狭心症もよくなってしまった。偏頭痛もいつのまにか忘れてしまったという。

歩くことで血行がよくなり、療血が改善され、狭心症、静脈癖という血管病変が改善し、また、膝を支えている下肢の筋力が増して、膝への重力の負担が減り、膝の痛みもなくなったと考えられる。

症例3「血液浄化食で長年の持病を一掃」

37歳の主婦、身長160cmで45kgのやせ型で冷え性。「常に肩がこり、頭が重く、食欲もなく、いつも胃のあたりがスッキリしない」という症状。
「薬は化学薬品はおろか、漢方薬も服用するのは嫌」というので、それなら「生姜づくし」の食生活をすすめてみた。

朝と就寝前には生姜湯を湯呑みに1杯ずつ。みそ汁には、生姜をきざんで入れ、湯豆腐は醤油にすりおろした生妻をたっぷり入れて食べる。漬け物も生姜の漬け物を食べ、ないときは紅生姜を食べる。

おやつも生姜飴にするなど徹底してもらったところ、数日後から体が㈱温まり、まず肩こり、頭重感がなくなった。便秘も改善した。

冬の冷えには「金時しょうが」を使って便秘を解消

1ヶ月も経過すると、胃のもたれ、胃の存在感を感じなくなり、食欲もわいてきて2kgも太った。その後、食生活には生姜をなるべく多くとりいれるようにし、ますます、快調な日々を送っている。

生姜の健胃作用、保温作用によって血行が促進された結果による瘀血効果になる。

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