我々の血液には、食べ物や水からタンパク質、脂肪、糖分、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が胃腸を通して供給され、肺からは酸素が吸入される。また、骨髄からは赤血球、白血球、血小板などの有形成分が、内分泌臓器からは種々のホルモンが作られて、血液の成分になる。

血液は、こうした栄養成分、水、酸素、白血球、免疫物質、ホルモンを抱きかかえて、四六時中全身を巡回し、60兆個の細胞に栄養を送り届けている。

そして、各細胞が生活(代謝)した結果の老廃物(尿素窒素、クレアチニン、尿酸など) や、古くなった細胞が崩れて溶出してきた酵素(GOT、GPT、アミラーゼせいなど) を受けとり、腎臓から排出している。よって、血液は、全身の臓器・細胞の生殺与奪の権利をすべて握っているということになる。

だから、血液の流れが悪くなる(瘀血= 血の滞り) と、全身の細胞に栄養不足、酸素不足が起きて、細胞の代謝の乱れ=病気が起こってくるのである。

瘀血の原因は

  • 冷えや水の滞り
  • 気の滞り
    ストレスで血液中のコレステロール、中性脂肪、赤血球、尿尿酸、フィブリノーゲンが増加し、血がドロドロになる(療血) ことは、この一例である。
  • 運動不足
    マイカーの普及、交通の発達、洗濯機や電気掃除機の普及などにより、我々文明人はあまり肉体労働(運動) をしなくなった。その結果、当然、筋肉による体熱産出量2も減り、体を冷やし、老廃物の燃焼が悪くなり、血行も悪くなる。
  • 食べ過ぎ
    腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」といわれるが、食べすぎると当然、血液の中にはコレステロール、中性脂肪、血糖などの栄養物質が過剰になり、高脂血症→ 動脈硬化→心筋梗塞・脳梗塞、高血糖が起きてくる。血管の中はドロドロとして、血液の流れが悪くなり、血の滞りが起きる。また、乳酸、ピルビン酸、尿酸などの老廃物も増加させて、血の滞りに拍車をかける。

食べ物の問題としては「食い違い」もある。まか人間の社会には「栄養学」なる不思議な学問がある。人間の細胞はタンパク質でできているので動物性タンパクをしっかり食べねばならない、という機械論である。しかし、陸上動物中最大の6000kgもある象も、肉や牛乳を掟供してくれる牛も、おもに草しか食べない。彼らは草食用の平べったい歯しかもっていないからである。

逆にライオンやトラは、草は食べない。肉食用の尖った歯しかもちあわせていないからだ。ことほど左様に動物の食性は歯の形で規定されている。

人間の歯は32本のうち20本(20/32 =62.5%) が穀物用の臼歯、8本( 8/32 =25%) が、野菜や果物をガブリと食べる門歯、4本(4/32 =112.5% )が魚と肉を食べる犬歯で、動物食用の歯は1割ちょっとでしかないということになる。それにもかかわらず、北方に移動して行き、農耕や果物の採取がままならず、しかたなく狩猟をして肉食をはじめたヨーロッパ人の作りあげた食習慣にもとづく栄養学を、農耕民族の日本人に押しっけたところに、ここ訓年間で、日本人の死因が急速に欧米化してきた原因がある。

日本人に多かった脳出血は激減し、欧米人に多い脳血栓や脳梗塞が著しく増え、ガンも子宮頚ガンや胃ガンという日本型のガンが減って、肺、大腸、乳・卵巣・子宮体、す前立腺、膵臓などの欧米型ガンが増加するなど、そのことを如実に示している。血栓が多くなったことは、日本人の血液の流れが滞っている何よりの証拠である。